やまがた橋物語

赤川編第2部[10]

◆倉沢橋(鶴岡)

倉沢橋(鶴岡)の写真 摩耶山への登山道へ向かう入り口でもある倉沢橋=鶴岡市

 神社へのアプローチを思わせるような擬宝珠(ぎぼし)が欄干を飾る「倉沢橋」。鶴岡市朝日地域の市道「上田沢・倉沢線」の赤川に架かり、倉沢集落三十四戸へのアクセス道としてだけでなく、摩耶山の登山道にもつながる。

 現在の橋は一九九六年六月に完成した。長さ七十七メートル、幅十メートルで、“永久橋”としては二代目になる。片側に幅二・五メートルの歩道が付き、車道は幅七・五メートルで大型トラック同士が擦れ違うこともできる。四基の街路灯も付き、夜間や冬季間などの安全に配慮。橋の下部には水道管が通り、集落にとっては命をつなぐ橋でもある。

 倉沢橋が鋼製の橋になったのは一九五四(昭和二十九)年十一月。それより前はつり橋で、現在の橋の約五十メートル上流に架けられていたが、大雨のたびに流されたという。近所の人が「年に二、三回は補修や架け替え工事をやっていた気がする」と話すほど頻繁だった。また、幅は三・六メートルしかなく、大型車が擦れ違う際には、どちらかが橋の手前で待ってやり過ごしていたという。

 倉沢集落の一角に県企業局の発電施設があったことなどから、冬季間も安全に通行できる橋が必要で架け替えられた。橋のデザインを決める際、当時の朝日村の担当者と倉沢集落の人たちで話し合いが持たれた。同集落の自治会駐在員の自営業伊藤昭夫さん(58)は「摩耶山に向かう信仰の道としての思い入れから欄干部を擬宝珠で飾ることになった」と当時を振り返り、「ずいぶん立派な橋になり、大鳥方面に向かう人が間違えてくる」とほほ笑んだ。

 集落から赤川対岸の朝日大泉小に通う児童は現在一人だけ。伊藤さんは「元気な地区にしていかなくてはと思っている」と話していた。

2008/09/12掲載

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