やまがた橋物語

赤川編第2部[3]

◆笹目橋(鶴岡)

笹目橋(鶴岡)の写真 架設から40年目を迎えた現在の笹目橋。朝日中の生徒たちの通学路などとしての役割を担っている=鶴岡市

 鶴岡市朝日地域の下名川地区から本郷地区の笹目集落に架かる笹目(ささめ)橋。現在のコンクリート製の橋は今年、架橋から四十年目を迎えた。朝日中の通学路などとしての役割を担っている。

 旧朝日村の広報紙などによると、初代はつり橋で、一九三三(昭和八)年に完成した東北電力落合発電所の専用橋として、三一年に架けられた。建設工事の際には、地元の住民も百人以上が従事し、不安定なつり橋を渡りながら砂などの資材を運び入れていたという。しかし、五七年十二月の強風で、つり橋は半分に切断。応急的な修復を施し、一時は通れるようになったが、安全に配慮して五八年度末に通行が禁じられた。

 五八年九月には、本郷中と東岩本中が統合され、本郷地区に朝日中が新設された。旧東岩本中の生徒の多くは笹目橋を渡って通学していたため、迂回(うかい)して村道の本郷橋を渡ったという。当時、朝日中二年生だった元朝日村議会議員の農業小野寺良寛さん(63)=同市本郷=は「自宅から学校までの通学時間が五分と掛からない友人が、三十分も掛けて遠回りし汗だくで通っていたな」と懐かしんだ。

 朝日中が建設されたことで、地区民の架橋への思いは一層高まった。六八年十二月、村は総工費千百十万円を投じ、長さ約五十四メートル、幅約三メートルのコンクリート橋を架けた。

 「永久橋を地区住民は首を長くして待っていた」と小野寺さん。風雨に耐え続けてきた笹目橋はコンクリートが色あせ、ひっそりとたたずんでいるが、人々の生活を支え続けてきた四十年の重みを感じさせる。クリやクルミの緑が辺りを彩る中、さわやかな川風が吹き抜けていく。

2008/09/03掲載

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