やまがた橋物語

金山川編[1]

◆安久土橋(真室川)

安久土橋(真室川)の写真 真室川小の通学路にもなっている安久土橋。晴れた朝、子どもたちが元気に渡っていった=真室川町

 今回の「やまがた橋物語」シリーズは「金山川」にスポットを当てる。神室山系を水源とし、金山町を抜け、真室川町の中心部で真室川と合流する全長二一・八キロに架かる主な十三の橋を下流から紹介する。

 真室川との合流点から約三百メートルほど上流に「安久土(あくど)橋」が架かる。一九五四(昭和二十九)年六月に完成した全長八十六メートルのこの橋は、秋田県境と隣接する及位地区へとつながり、国道13号の迂回(うかい)路でもある主要地方道真室川鮭川線の一部として、町民だけでなく県外ナンバーの大型トラックも多く利用する。

 現在の橋は三代目だ。近くの杉原実さん(74)によると、初代の橋は木製で大正時代初期に今よりも三十メートルほど上流に架けられた。町内にあった真室鉱山が興隆を誇り、軍用飛行場建設が進んでいた昭和初期には、橋から真室川駅周辺に十数軒の飲食店が集中。橋のたもとには真室川音頭発祥の場所と言われる料亭「山水」もあり、橋は行き交う労働者らでにぎわった。

 だが、橋は四四年ごろに川の増水で流失。数年後にできた二代目も水害に遭った。住民らは残った橋脚に丸太を並べたり、鉄橋を利用して川を渡ったという。近くの阿部ヤスエさん(80)は「手すりもなく、下を見ると激しく流れる川が見える。落ちそうで怖くて、川向こうに買い物に行くのが嫌だった」と振り返る。

 それだけに、三代目となる現在の橋が完成した時は「コンクリートの立派で大きな橋。これで安心できると思った」と阿部さん。しかし建設から半世紀以上が経過し、老朽化も激しく、幅が五メートルと狭い車道は、乗用車でも擦れ違うのが厳しい。近くには真室川小があり、児童が登下校で利用する。安全確保などのために、管理する県は架け替えを決め、本年度から事業に着手した。近く「安久土橋」の名前は四代目に受け継がれる。

2008/11/11掲載

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