やまがた橋物語

金山川編[10]

◆柳原橋(金山)

柳原橋(金山)の写真 河川改修前は柳の大木が何本もあったという柳原橋=金山町

 大洪水で村が流され、一面に柳が生い茂ったことから柳原が生まれたという伝説が残る。柳原橋付近には河川改修をする前の昭和初期、柳の大木が何本もあり、川で遊ぶ子どもたちの大きな笑い声が響いていた。

 当時は道幅が現在の半分ほど、川幅は五分の一ほど。それほど深くなく、子どものひざ程度、増水しても腰の辺りまでだったという。馬や馬車は豪快に水しぶきを上げて川を渡っていた。

 近くに住む小沼佐次兵衛さん(84)が子どもの時、最高の遊びは「カジカ干し」だった。当時は高い堤防がなく、六、七月に洪水があると川の形が変わり、支流がいくつもできた。カジカ干しはまず石を積み上げてフキの葉と土ですき間を埋め、支流に水が流れるようにして本流をせき止める。一時的に干上がった川で、数え切れないくらいのカジカを捕まえた。河原で鍋に湯を沸かし、カジカと切ったネギを入れ、みそで味付けして食べたという。

 金山川ははんらんするたびに木や岩にぶつかっては方向を変え、柳も、田や畑ものみ込んだ。昭和十年代に近くの山から杉の大木を切り出して造られた橋は、洪水でも流れることはなく、補修を繰り返しながら長い間使われた。

 現在の橋は全長四九・五メートル、幅九・三メートルで、一九八〇(昭和五十五)年に完成。先だって、河川改修も行われた。その後、砂防せきにたまる土砂にアシが生えるようになり、柳も川にすむ魚も少なくなった。小沼さんは「もう一度昔に帰りたい。カジカ干しは本当に楽しかった」と目を細める。

2008/11/25掲載

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