やまがた橋物語

京田川編[13]

◆藤立橋(庄内・鶴岡)

藤立橋(庄内・鶴岡)の写真 赤い欄干が特徴的な藤立橋。庄内町千本杉と鶴岡市楪、藤島関根を結ぶ

 「藤立橋」は鶴岡市楪(ゆずりは)、藤島関根と庄内町千本杉を結ぶ。橋の名前は旧藤島、立川両町の頭文字から付けられた。開通当初から二つの町の連絡道路としてその役割を果たしてきた。今の時期は赤い欄干が周りの雪景色に映える。

 1967(昭和42)年に完成。長さ36メートル、幅3メートルと車が擦れ違えないほど狭いが、朝夕に散歩したり、ジョギングしたりする人は多く、周辺集落の住民に親しまれている。

 郷土誌「関根部落のうつりかわり 近代への歩み」によると、昭和30年代までの京田川の改修工事は下流部(現在の酒田市広野周辺まで)で先行していた。藤立橋付近は川が大きく曲折していたため水の流れが悪く、川沿いの集落、田畑は大雨による浸水に苦しめられてきた。千本杉在住の石川欣一さん(78)は「集落が冠水すると、木の電柱をいかだのように組んで川に浮かべ、それに乗って移動していた人もいた」と苦笑いしながら懐かしむ。

 当時、下流の京田橋、上流の前野橋は既に開通していたが、藤立橋付近は木造橋すらなかった。住民は対岸に渡るため遠回りを強いられており、小さな橋でいいから架けてほしいという機運が少しずつ盛り上がっていったという。

 65年、県による川の改修工事が本格的に始まり、橋の架設も決定。川を挟んだ集落の住民同士が話し合いを持ち、現在の藤立橋の位置に橋を架けることになった。

 開通から40年以上が経過した。石川さんは「冬の間は除雪しないと車1台も通れないが、交通の便はずいぶんよくなった」と語り、「小さくて赤くて、周辺の住民にとってはかわいい橋だよ」と笑った。

2010/01/28掲載

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