やまがた橋物語

京田川編[15]

◆千原橋(鶴岡)

千原橋(鶴岡)の写真 千原橋のそばには、交通安全を祈って植栽したマツが存在感を示している=鶴岡市鷺畑

 鶴岡市藤島地域の鷺畑地区にある「千原橋」。1995年に完成した長さ26メートル、幅11メートルのコンクリート橋だ。欄干には旧藤島町の花であるフジをデザインした銘板が施されており、モダンな造りが目を引く。

 現在の橋は“3代目”。初代は木製で1924(大正13)年に架けられたが、老朽化により37(昭和12)年にコンクリート橋となった。それまでは鷺畑橋と呼ばれていた。県道添川上藤島線の拡幅工事に伴い敷設された現在の橋は、住民の要望を受け、地域の俗名にちなんで千原橋と名付けられた。藤島町史などによると、かつて藤島城主と大宝寺城主がこの地で戦いを繰り広げ、辺りが血の原になったことが千原の由来とされる。

 95年12月に完成した現在の橋は長さが10メートル以上長くなり、幅は2倍以上に。歩道が確保されたことで安全に通行できるようになった。一方で、拡幅工事に伴い橋の近くに鎮守の神として祭られていたエノミの樹木が切り倒された。当時、千原町内会長を務めていた横山権一郎さん(75)=同市鷺畑、農業=は「地域で大切に守ってきただけに残念だった。地域住民が集まっておはらいした」と振り返る。

 翌96年春には、新たに架けた橋のそばに交通安全を祈ってマツを植えた。交通事情も徐々に変化し、通勤などで車の往来は激しくなったが、横山さんは雪をかぶったマツを見詰めて「事故が出ないように見守ってほしい」と話す。

 橋の欄干にある銘板には完成を記念した文字が刻まれている。このうち、「平成7年12月完成」は、横山さんが書いた。「後世まで残るので、とても誇りに思っている」。千原橋としての歴史はまだ浅いが、住民の日々の生活に溶け込みながら存在感を増していくだろう。

2010/02/01掲載

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