やまがた橋物語

京田川編[16]

◆道合橋(鶴岡)

道合橋(鶴岡)の写真 20世帯の集落に通じる道合橋。木橋時代の思い出にふける相馬光男さん=鶴岡市鷺畑

 スキップなら数歩で渡りきってしまう。長さ12.5メートル、幅4メートルほど。鶴岡市鷺畑の道合橋は、今回紹介する京田川編の18本の中で最も小さい。しかし、道合集落の住民にとっては古来より羽黒方面と行き来する上で重要な橋だった。

 コンクリート製になったのは1966(昭和41)年。それ以前の木橋時代の情景を、集落対岸にある一軒家に住む農業、相馬光男さん(62)に語ってもらおう。

 「村社春日神社前の杉並木が橋周辺のシンボル。3人が手をつないでも足りないほどの幹回りだった。巨大なみそ釜があって、住民が川からくんだ水で豆を煮て、家で仕込んだ。護岸工事前で蛇行した川ではハヤやウグイ、カジカがよく釣れた。橋下のほとりは牛や馬の洗い場になってたなあ」

 神社前には、石の道標が現存し「右 羽黒山、左 清川」と刻まれている。基盤整備される前は、ここから2本の道が延びていた。相馬さんによれば、一方はお参りに、もう一方は船着き場に通じる合流点であることから、道合という地名が付いたという。脇の井戸では、羽黒山系の地下水が今もこんこんとわき出ている。

 橋から最も近い鷺畑公民館。子どもが減り、中の卓球台で遊ぶ姿は見られなくなったが、20世帯の住民全員が参加する新春と秋の講は健在。当屋が持ち寄った酒や漬物でにぎやかに語り合う。

 南に広がる水田、さらに先の柿団地はすっぽりと雪に覆われている。雪解け時期になれば、5世紀中期と推定される古墳が見渡せる。

2010/02/02掲載

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