やまがた橋物語

京田川編[5]

◆亀井橋(酒田)

亀井橋(酒田)の写真 歩行者用の橋もある亀井橋。広野小の児童が登下校に使う=酒田市広野

 酒田市広野に「亀井橋」(長さ約100メートル、幅6メートル)は架かる。県道浜中余目線上にあり、現在は車両用、歩行者用の2本が並ぶ。かつて川によって分断されていた周辺集落の住民をつなぐ橋として、欠かせない役割を果たしている。

 橋の東側、大渕(おおぶち)集落で郷土史を研究する伊藤三郎さん(87)によると、江戸時代から昭和のはじめにかけて、大渕は広野の中心として栄えた。1751(宝暦元)年、相次ぐ水害を軽減するため、庄内藩酒井家が京田川の掘削を行い、周辺の川幅は拡大した。ただ、川の位置や流れが変わり、集落は分断された。

 「広野村沿革誌」によれば、初代の木造橋は1879(明治12)年に完成。橋の架設によって分断されていた集落の往来は増え、大渕は再びにぎわうようになった。しかし、堤防が低かったため水害が絶えず、人家や農作物に与える被害は甚大だった。

 昭和30年代初頭、広野16集落の住民は永久橋の架設を目指し期成同盟を結成した。地道な要望活動が実り、2代目に当たる現在の橋(車両用)は1964(昭和39)年、開通した。

 橋の西側に広野小がある。交通量の増加に伴い、登下校する子どもたちの安全を確保するため歩行者用の橋が85年に架けられ、現在の姿となった。

 名前の由来は諸説ある。広野地区に伝わる言い伝えでは、初代の橋の架設作業中、京田川で大きな亀が発見されたことからこの名前が付いた-とされるが、決め手はない。

2010/01/18掲載

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