やまがた橋物語

前川編[16]

◆栄橋(上山)

栄橋(上山)の写真 栄橋は歴史的、地理的に重要な橋だった。現在は解体され、すぐ脇に開通した国道13号を多くの車が往来する=上山市中山地区

 上山市中山地区の国道13号上山バイパスと並行する旧道に、栄橋(全長23.4メートル)があった。橋は国土交通省山形河川国道事務所の道路拡幅工事に伴って2007年に解体され、現在は国道の下に掘られたアーチ状のトンネルを前川が流れる。

 かつては木橋や石橋が架けられ、地元住民の間で「境橋」と呼ばれていた。地域の郷土誌によると、橋が架かる同市中山地区や川口地区は、村山郡と置賜郡、最上氏領と伊達氏領、上杉氏領と米沢氏領などを隔てる境界となっていたことから、「境」の字が使われていたという。歴史的、地理的に重要な橋だったことがうかがえる。

 1964(昭和39)年の国道13号新設工事に伴い、建設省(現国土交通省)が62年に永久橋を架設。その際、地元住民の要望もあり、「めでたい字」として「栄」の字を当てたとされる。山形市と南陽市を結ぶ国道の開通に伴い、通行量は急増した。

 江戸初期の文献には「掛入(かけいり)橋」と呼称されていたとの記録も残る。橋の近くに巨石「掛入石」があるためで、この石は現在、市指定文化財になっている。戦国時代、掛入石は上杉氏領と最上氏領の境界の目印とされた。掛入石の名称については諸説あり、慶長出羽合戦で最上勢と対峙(たいじ)した上杉勢の兵が洞穴に「隠れた」、あるいは「駆け込んだ」ことなどが語源と伝えられている。

 掛入石は1896年、奥羽本線の鉄道敷設工事の際に一部が削られた。電車や車の往来が増えた現在では人通りは少なくなったが、中山地区公民館の小沼孝事務長(58)は「子どものころは木の橋を渡り、石に登ったりして遊んだ思い出がある」と当時を振り返った。

2010/03/29掲載

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