やまがた橋物語

前川編[3]

◆長生橋(上山)

長生橋(上山)の写真 ぬくもりを感じさせる木製の欄干が特徴的な長生橋=上山市

 上山市栄町にある長生橋は、木製の欄干が特徴的。全長23.6メートル、幅3.7メートルの木橋で、目の前には病院があり、通院するお年寄りらの利用が目立つ。

 上山市の資料によると、現在の橋は1949(昭和24)年に完成。その後、79、91、2003年と相次いで補修された。当時の市報を読むと、91年の補修時には欄干に鋳物製のリスのオブジェがあしらわれたとあるが、破損などが相次ぎ、03年の補修時にすべて取り払われたという。橋の西側は車が擦れ違うのも困難な狭い路線なのに対し、東側には2車線の道路がJR奥羽本線沿いに続く。この道は県労働者住宅生活協同組合が80年に整備した。

 川の東岸で父の代から織物屋を営み、現在は同市美咲町2丁目に住む大泉正雄さん(82)は橋の歴史を知る一人。40年代、橋の決壊の瞬間を2回、目の当たりにした。水害で流された上流の橋が長生橋の橋脚に引っ掛かると、水流はせき止められ、水面がみるみる1メートルほど上がった。橋は中央部からアーチ状に盛り上がって割れ、下流に消えたという。

 「まだ若かったから『高みの見物』の心境だった。床上浸水もした。2階に家財道具を上げたりと慣れたものだった」と大泉さん。それでも「もう(水害は)こりごり」。現在の家を建てるとき、60センチほど地盛りして水害に備えたのもあの時の記憶が鮮明に残っているからだ。

 戦後には上流の矢来橋から長生橋を経て喜多松橋に至るまで、前川の東岸には桜並木が続いていた。59年に始まった河川改修に伴い切り倒されたが、大泉さんの父政太郎さんが描いた油絵に当時の風景が残されている。葉山を背景に、川のたもとで満開の花を咲かせる桜の木の絵を大泉さんは懐かしそうに見つめていた。

2010/03/04掲載

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