やまがた橋物語

前川編[9]

◆高松大橋(上山)

高松大橋(上山)の写真 自動車用の高松大橋(右)と歩行者用のけやきの森橋=上山市

 前川左岸の上山市民公園と右岸の市体育文化センター、市民球場などの一帯を結ぶ連絡橋の役割を担うのが高松大橋(全長33メートル、幅5メートル)。1982(昭和57)年に架設された永久橋だ。同橋は自動車用で、歩行者用のけやきの森橋が並んで架かっている。二つの橋とも市民の憩いの空間を結ぶ重要な橋だ。

 高松大橋の場所は前川と思川の合流地点で、昔は田園地帯だった。高松地区会長の斎野正一さん(68)によると、昭和30年代ごろは二つの川に丸太を割って渡し、農作業用の通路にしていたという。「収穫期には米60キロ分を背負って丸太橋を慎重に渡った。橋から集落まで片道で1キロ以上もあるので道の途中にある休み石に腰を下ろして休憩しながら歩いた。とにかく重労働だった」と斎野さんは振り返る。耕運機が普及する前は田畑の耕作に馬や牛を使った。農耕馬は細く不安定な丸太橋を怖がって渡ることができず、川水の中を人が引いて渡らせたという。

 歩行者用のけやきの森橋が架設されたのは1992年。前川右岸の地名「けやきの森」がそのまま名称になっている。幅は高松大橋の3倍の15メートルとかなりゆったり。金山杉の間伐材を約1万8千個、タイルのように敷き詰め、四隅の親柱にはケヤキを使っている。斎野さんは「高松大橋は今、高松地区の住民が中心街に車で出掛けていく時に利用しており、生活道路となっている。けやきの森橋は子どもたちも渡るのでともに大事にしていきたい」と話していた。

2010/03/15掲載

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