やまがた橋物語

馬見ケ崎川編[6]

◆万歳橋(山形)

万歳橋(山形)の写真 歩道に休憩スペースもある万歳橋

 万歳(ばんさい)橋は、山形市馬見ケ崎地区の区画整理に伴い、一九九六年に架けられた。県が工事にかかわった馬見ケ崎川に架かる橋の中では最も新しく、西側に病院や大型店舗などが集まることもあって、交通量が多い。

 橋の全長は百五十メートル、幅二十三メートルで片側二車線。歩道の途中に、いすが置かれ休憩できるスペースもある。「以前は人の行き来が少なかったが、万歳橋ができて交通の便が良くなり、人の交流も活発になった」と馬見ケ崎区画整理組合の組合員だった長岡總一郎さん(82)=同市長町二丁目。それまでこの付近には、万歳橋の上下流それぞれ約四百メートル地点に、地元の農家たちが経費を出し合って架けた「農道橋」しかなかった。

 長岡さんも元農家。万歳橋の下流の農道橋を使って対岸の農地に通っていた。昭和十年代ごろまでは、人間しか渡ることができないような一本橋。リヤカーも通れないため、収穫物は背負って渡った。

 その後、もう少し幅の広い橋はできたが、これもくいに丸太を半分に切ったものを渡してその上に板を載せただけの橋。「渡るたびにガタガタといった」と長岡さんは苦笑する。増水の情報があると流されないように板をはがしに行ったが、間に合わずにかなり下流まで流されることもあった。この長町農道橋はコンクリート製に姿を変えて今も残り、左岸の地区から千歳小に通う子どもたちの大切な通学路になっている。

 万歳橋の名前は公募で決まった。万は千より上。「一つ上流に架かる千歳橋のさらに上をいくほどのいい橋になるように」の願いが込められているという。人々の期待が詰まった橋の上を、ひっきりなしに車が行き来している。

2009/02/03掲載

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