やまがた橋物語最上川第1部[10]◆烏川大橋(大蔵)![]() 大蔵村と舟形町を結ぶ県道福寿野熊高線の烏川大橋。川を挟んで住宅地と農地が向かい合う景色の中にある。 かつて住民の移動手段は、舟で川を渡る「渡し」だった。通勤や通学、対岸でのちょっとした農作業にも渡し舟が必要だった。春先の雪解けや梅雨時期の豪雨など増水のたびに舟は止まる。住民たちの強い要望で、ようやく一九八六(昭和六十一)年に橋が開通した。工事中、赤松小の児童が舟での通学のつらさをつづった手紙を知事に送ったため、予定より一年早く完成したというエピソードもある。 全長は二百八十メートルで、幅は六メートル。片側に二メートルの歩道も付き、児童たちも安心して通学できるようになった。村内から新庄、山形方面へ抜ける道でもあり、現在では地元の住民のみならず多くの村民の利便性を支えている。 かつての乗船場だった橋の上流には、あらためて橋のありがたさを示すかのように、渡し舟の歴史が記された石碑がひっそりと立っている。 2007/01/22掲載
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