やまがた橋物語

最上川第2部[12]

◆谷地橋(河北)

谷地橋(河北)の写真 河北町と東根市を結ぶ主要道路となった谷地橋=河北町谷地

 東根市への入り口となる河北町の国道287号谷地橋は、現在三代目。「道海橋」と呼ばれた初代・谷地橋の時代には、橋の隣に県内初の私鉄「谷地軌道」が敷かれ、「いもこ列車」の名で知られる蒸気機関車が走っていた。

 初代は一九〇二(明治三十五)年に落成した。四〇(昭和十五)年に雨で一部落橋。翌年上流の田井橋と一本化する形で、二つの橋の中間に二代目が架けられた。その後二代目も老朽化が進み、七九(昭和五十四)年に全長四九九・八メートルの現在の橋に架け替えられた。

 谷地軌道は一六(大正五)年からの二十年間、「谷地軌道株式会社」が運行した。線路は東根市の神町駅から河北町道海地区の谷地駅までの五・六キロ。煙突の形がサトイモに似ていたので「いもこ列車」の名が付いた。

 当時の谷地駅の跡地に住む斎藤是さん(76)は、幼少時の記憶をこうたどる。「初めて列車に乗ったときははしゃいだ。線路が道路の隣にあるから、道沿いの家の軒先を走っているようだった」

 いもこ列車には、自転車が競走するようなスピードだったとか、大勢の力士が乗ったため上り坂で止まり、その力士が後ろから押した、というエピソードも残っている。現在、町中央公園に同形の機関車が展示されており、その面影を知ることができる。

 谷地軌道の廃止から七十年余を経て、谷地橋は二市町を結ぶ主要道路となった。朝と夕方は交通量が多くて渋滞するため、町は橋の四車線化を熱望している。

2007/03/22掲載

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