やまがた橋物語

最上川第2部[2]

◆黒瀧橋(大石田)

黒瀧橋(大石田)の写真 ライトアップされた向川寺の仏舎利塔(右)との対比がきれいな黒瀧橋=大石田町

 大石田町豊田の深堀集落と横山の黒滝集落を結ぶ黒瀧橋は、一九九〇年完成と比較的新しい。長さは二百五十五メートル。東根市から尾花沢市まで続くスーパー農道整備の一環として建設された。名称は六百三十年の歴史を持つ古刹(こさつ)の黒瀧山向川寺に由来。橋のたもとから同寺の白い仏舎利塔が見える。

 黒滝集落は最上川左岸の横山地区の北端に位置する。スーパー農道が整備される前は、同地区の中心へ行くには山際の細い道を通った。区長の農業木村冨士雄さん(69)は「横山小に通う児童は雪崩の危険があるため、冬季間は渡し船で対岸に渡り、大石田地区に出るという回り道をして通学していた」と振り返る。

 多くの末寺がある向川寺は、かつて俳聖松尾芭蕉や歌人斎藤茂吉も訪れた。境内には県指定天然記念物の大カツラと、町指定天然記念物の大イチョウもあり、町民に親しまれている。黒瀧橋の両端には、イチョウをデザインした親柱が設置されている。

 向川寺は専従の住職がおらず、他寺の住職が兼務する状態がしばらく続いているが、総代の一人でもある木村さんは「黒瀧橋ができてから正月の元朝参りを復活させた。大石田地区や尾花沢市からも訪れる」と橋の完成後の変化を話す。仏舎利塔は毎晩ライトアップ(午後九時まで)され、橋の照明と光る仏舎利塔の夜景を楽しむことができる。

2007/03/06掲載

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