やまがた橋物語

最上川第3部[11]

◆旧明鏡橋(朝日)

旧明鏡橋(朝日)の写真 豊かな緑に囲まれ、美しいアーチを川面に映す旧明鏡橋=朝日町

 朝日町の旧明鏡橋は、鉄筋コンクリートアーチ橋で、土木学会による二〇〇六年度の選奨土木遺産に認定された。建造は一九三七(昭和十二)年で、美しい形状を造り上げた当時の技術の高さを今に伝えている。

 国道287号として交通量は多かったが、有効幅員が五・五メートルしかないため、大型車が擦れ違えず、人が歩くのも危険なため、道路改良が必要とされてきた。こうした中、〇五年十一月に新橋が完成。旧橋は国道としての役割が終わったことから、町に移管された。

 そもそも明鏡橋の歴史は古い。初代は一八七五(明治八)年に最上川中流以降に初めて架けられた。その後、何度か災害に見舞われて架け替えられ、現橋が五代目だという。

 橋の南側の集落、和合の農家に生まれた菅井敏夫さん(81)=朝日町宮宿=は、出征兵士がみんなに見送られて完成したばかりの橋を渡っていく光景を今も鮮明に覚えている。橋は古里のシンボルであり、強くて美しい造りは自慢だった。

 戦後間もなくの夏、夕涼みがてらに若者が橋に集った。愛をささやき、結ばれた男女は何組もいる。当時は“恋の架け橋”でもあった。

 「残念なのは、昔は澄んでいた最上川の水が濁ったこと。橋も、清流に戻るまでは引退できないと思っているかもしれない」と菅井さんは静かに語る。

2007/05/28掲載

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