やまがた橋物語

村山野川編[9]

◆若木橋(東根)

若木橋(東根)の写真 橋長が80メートルを超える若木橋。山形空港を離陸した旅客機が空に見える=東根市

 住宅街の周囲にサクランボやリンゴの果樹畑が広がる東根市若木地区と、市中心部を結ぶ若木橋。市街地再開発で1988(昭和63)年10月、それまでの木製橋から架け替えられた。長さ84メートル、幅16メートルで、1日の通行量は約6500台。

 若木橋の完成で、若木地区から東根市役所近くまで一直線で行けるようになった。車なら5分ほどの距離だ。かつては県道東根尾花沢線(旧国道13号)の野川橋を渡るルートが最短だったが、信号が多いので早くても十数分を要した。

 自転車や徒歩で橋を渡る人も目につく。同市神町東2丁目の佐藤京子さん(56)は「市役所近くの病院に行く途中。自転車で15分あれば着く」と軽快にペダルをこいだ。若木地区と隣接する板垣新田の植松重正さん(62)は「毎日1時間以上のウオーキングが日課。きょうは橋を組み込んだコースにした」と話す。芝が植栽されている橋の下の河川敷には煮炊き専用スペースが完備され、芋煮会などで利用されている。

 橋の名前となった若木地区は、江戸中期から昭和20年代の初めまで松林の開拓が行われ、一大果樹生産地となった。「若木」と書いて「おさなぎ」という読み方に、興味深い一説がある。アイヌ語のオ・サッ・ナイ(川尻の乾く川)が語源ではないかというものだ。乱川扇状地にあり、夏になると一帯では村山野川や乱川が伏流することから、地名やアイヌ語の研究者たちが推測した。まだ、結論は出ていない。

2010/11/30掲載

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