やまがた橋物語

寒河江川前編[13]

◆高瀬橋(西川)

高瀬橋(西川)の写真 高瀬橋のそばの展望広場には、大ヒット曲「孫」の歌碑がある

 高瀬橋(長さ五八・五メートル、幅十九メートル)は、西川町沼山地区と間沢地区の間に架かる。現在の橋は二〇〇三年に完成した。親柱には「間沢田植踊」「間沢の菊」「高校生ボランティア発祥乃地 おはよう走ろう会」「長沼 大沼」と、両地区を象徴する事物の銘板がはめ込まれている。

 先代の橋は一九三六(昭和十一)年、先々代は一八七五(明治八)年に架けられた。かつては渡し舟が行き来していたことを、橋がある一帯の舟場という呼称が物語る。

 右岸に設けられた展望広場には先代の橋の親柱とともに、歌手大泉逸郎さんの大ヒット曲「孫」の歌碑がある。作詞を手掛けた荒木良治さん(82)=西川町沼山=の自宅がこのすぐ近くで、地元から生まれた名曲をたたえるため建立された。

 電力会社に勤務していた当時から長年、歌詞を書いてきた荒木さん。やまがたの演歌を育てる会が八九年に実施した歌詞の募集に、荒木さんは「演歌おくの細道」で最優秀賞を獲得した。この曲募集に応募して最優秀賞に輝いたのが大泉逸郎さん。こうした縁で二人の交流が始まり、初孫が生まれた大泉さんから依頼され、荒木さんが「孫」を作詞したのが九四年。九九年には全国発売され、二〇〇〇年には日本レコード協会のゴールドディスク大賞演歌・アルバム特別賞に輝いた。

 歌碑は冬季間、雪囲いで覆われており、春の訪れとともにその姿を現す。「晴れた日は、四季を通して眺めは格別」と荒木さんが自宅前で見やった先には純白の雪に覆われた月山とすっかり春めいた日差しに水面(みなも)輝く寒河江川があった。

2009/04/06掲載

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