やまがた橋物語

寒河江川前編[14]

◆日影橋(西川)

日影橋(西川)の写真 つり橋時代は「気が弱い人は渡れない」と言われていた日影橋だが、現在は地元住民らにとって格好の散歩コースになっている

 西川町の入間地区と水沢地区を結ぶ日影橋(全長四十六メートル、幅五メートル)。現在の橋の欄干には、つり橋の絵がデザインされているが、それは一九九七年まで架けられていた先代の橋の姿だ。

 初代のつり橋は「冒険好きじゃないと渡れない」と地元住民らが振り返るほど“危なっかしい”橋だった。沼山発電所(当時)建設に伴う導水路工事中の二三(大正十二)年、建設業者が作業員や資材運搬用に架設。橋げたは薄く、幅はわずか五十-六十センチ。四〇(昭和十五)年の大洪水時は、上流の本道寺地区から流されてきた本道寺小の校舎が直撃し、大破した。その後も幾度となく洪水で壊れては修理が重ねられてきた。

 それでも、住民にとっても欠かせない生活道路だった。雪が降れば滑らないようにと、隣組が当番で雪かきや雪踏みをした。子どもたちにとっては格好の遊び場で、男の子たちはわざと手すりのワイヤを揺らし、橋をうねらせて楽しんだ。しかし、その不安定性から「もっと安全な橋を」という住民らの要望を受け、六三年に大規模改修が行われ、幅も橋げたの厚さも十分なつり橋に架け替えられた。

 現在の永久橋に生まれ変わったのは九七年。交通量が少ないため、住民らの散歩道にもなっている。夫婦で毎日ウオーキングし、この橋を渡るという古沢辰也さん(69)=水沢=は「昔は増水すると川が迫ってくる気がして怖かったが、今はいい散歩コースだ」。「河原に立ち止まるサギやカモを橋の上から眺めるのが楽しみなんだよね」と妻のヒキ子さん(66)が笑いかけた。

2009/04/07掲載

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