やまがた橋物語

寒河江川前編[15]

◆入間橋(西川)

入間橋(西川)の写真 かつては水沢地区の西部中に通う生徒たちにとって欠かせなかった入間橋。地区民の交流の場でもあったが、現在は静かな時が流れている

 入間橋(全長七十五メートル、幅六メートル)は西川町の、山あいに位置する入間地区と、郵便局や商店、西部中(当時)などがそろう水沢地区をつなぐ。中学生や大人たちが待望した橋で、一九八二(昭和五十七)年に開通した。

 過疎地域の農道整備事業の一環として、国の補助金を得て架橋。橋を含めた周辺農道は、それぞれの地域住民が、自分が持つ田畑の面積に応じて土地を提供した。正式には過疎基幹農道というが、住民には“過疎農道”の通称で親しまれている。

 川沿いにはヤナギやナラが立ち並び、橋の先には静かな田園風景が広がる。冬は雪で埋もれ、一面真っ白に。「農道と田畑の境界が分からなくなった車が、よく側溝にタイヤを落とすんだよ」と、かつて入間区長を務めた大泉綱男さん(80)。「みんなで助け合うんだ」と笑った。

 一帯が整備されるまでこの辺りに橋はなく、住民らは日影橋や綱場橋をぐるりと迂回(うかい)していた。入間地区の住民にとって、大半の用事を済ませることができる水沢地区は、近くて遠かった。

 入間橋で二つの地区が結ばれてからは、中学生の通学、遊びに行く子どもたちの自転車などが日常の光景になった。橋の下の河原で芋煮会を楽しむグループも多かったという。地区同士のつながりも生まれた。

 しかし、二〇〇二年に西川中の一校に統合されてからは、生徒らはバス通学に。〇七年に地区内の入間小も休校となり、橋を歩く子どもたちの姿も減少。時代は移り変わっても、川のほとりのライスセンターに収穫した米を運び入れる軽トラック、イワナやヤマメ目当ての釣り人たちの姿は今も変わらない。

2009/04/08掲載

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