やまがた橋物語

寒河江川前編[5]

◆新臥龍橋(寒河江)

新臥龍橋(寒河江)の写真 以前の国道112号「新臥龍橋」(右)に併設された歩道橋から赤い臥龍橋(左)を望む

 長さ百八十六メートルの新臥龍橋(がりゅうきょう)は、臥龍橋の約二百メートル南側にある。そこはかつて白岩橋や陣ノ峯橋などと呼ばれた橋が架けられていた場所で、一九六七(昭和四十二)年に国道112号があらためて整備された際に架橋された。

 その昔、六十里越街道沿いの白岩地区は出羽三山参詣の宿場町としてにぎわい、「春から秋に一年分を稼ぐ」といわれた。

 五三年、山形市の中心部から寒河江市を通り鶴岡市までを結ぶ道が「二級国道」に指定された。同地区では臥龍橋を渡って北の山すそを通るルートだ。やがて国道は一級、二級の区別が廃止され、一般国道に統一。新臥龍橋は、国道112号が一般国道として新たなルートで整備された時にお目見えした。鋼材を使用した頑強なつくりだ。

 「国道の開通で車の通行が増えたけど、宿屋は利用がなくなったね」と地区内の高橋任義さん(68)が話す。交通量が激増し、ひっきりなしに通る車で歩行者は白岩地区の中心を貫く国道をなかなか横断できないほど。冬は路肩への除雪で道幅が狭くなり、大型車の擦れ違いが困難になった。

 十年前、同地区の南側に白岩バイパスが開通し、新臥龍橋が架けられた道路は県道になった。「地区内が静かになって散歩も安心だ」と高橋さん。愛犬を伴い、春風に吹かれながら、新臥龍橋に併設された歩道橋を一歩一歩ゆっくり歩く。「車が少なくなって川の音がよく聞こえるようになった」と笑顔をみせ、日課という二時間の散歩に出発した。

2009/03/24掲載

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