やまがた橋物語

寒河江川前編[6]

◆みやま橋(寒河江)

みやま橋(寒河江)の写真 自転車と歩行者専用の「みやま橋」はかつて鉄道の橋があった場所に架かる

 みやま橋(長さ百五メートル)は寒河江市の白岩と八鍬の両地区をつなぐ。初代の橋は、大正末期に鉄道の橋として架けられ、約半世紀にわたり列車が行き来した。架け替えられた現在は、歩行者と自転車専用の橋になり、登下校する小中学生やジョギングの人などが渡っている。

 一九二六(大正十五)年、左沢線の羽前高松駅から西川町海味地区まで約九キロの電車路線「山形交通三山線」が開通。七四年に廃止されるまで、地域住民や出羽三山参りの人たちが利用したり、寒河江市幸生の鉱山から搬出された銅鉱石を羽前高松駅まで運んだ。

 三山線が廃止された昭和四十年代後半は、オイルショックの影響で日本中が省エネブームとなり、最近の原油高と同様に自転車がもてはやされた。このため県は、鉄道跡をベースにサイクリングロードを造ることを計画。住民から賛同する声も多く、西川町間沢から山形市山寺まで三十八キロの自転車・歩行者専用道路の工事に伴い、みやま橋が架け替えられた。

 最近、橋の西側は白岩さくら団地として分譲販売され、おしゃれな住宅が立ち並ぶ。「住宅地の真ん中の道路が線路跡だよ」と橋の西のたもとに住む浦山繁さん(75)が説明する。マッチ箱のようなかわいい電車が行き来したことを知らない世代が多く住むようになった。

 春休みとあって、住宅地の空き地でバドミントンをしていた女の子たちが、赤い欄干のみやま橋に移動。みんなで駆けっこを始めて歓声を上げていた。

2009/03/25掲載

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