やまがた橋物語

寒河江川前編[8]

◆上野大橋(寒河江・西川)

上野大橋(寒河江・西川)の写真 国道458号を支える上野大橋。朝夕の通勤時間帯には比較的交通量が多い

 寒河江市上野と西川町稲沢の両集落の間に架かるのが上野大橋(全長九六・五メートル、幅一一・五メートル)。一九八三(昭和五十八)年、当時の主要地方道新庄-大江線(現国道458号)と国道112号が交差する地点の交通を円滑にするためのバイパス整備に伴って架橋された。橋の中央付近が寒河江市と西川町の境界になるが、寒河江側の地名を冠して「上野大橋」と名付けられた。

 上野町内会長の兼子昭一さん(65)は「昔の大洪水で、周辺田畑の所有境界があいまいになっていた。工事で用地取得する際はとても苦労したようだ」と振り返る。橋が完成した翌年にバイパス開通式が行われ、工事の目玉だった上野大橋の上でテープカット。住民ら約二百人が見守る中、寒河江市高松小トランペット鼓隊のマーチに合わせ、関係者が渡り初めをした。「この付近で川を渡るには、道幅の狭い稲沢橋しかなかった。そのため、幅広いバイパスと上野大橋ができたことで、大江町方面への交通はとても便利になった」と兼子さん。

 橋付近はアユ釣りのスポットとして知られ、シーズンになると大勢の太公望が集まりさおを振るう。さらに橋下左岸の河床は、貝の化石がたくさん採取できる場所で、東北大学の研究グループが調査したり、小学生らが学習の一環で訪れたりしている。橋の西側には寒河江西部の田畑を潤す高松堰(ぜき)の頭首工がある。開削四百年の記念碑が建立されており、寒河江川の水利用に尽力した先人の苦労と努力がしのばれる。

2009/03/27掲載

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