やまがた橋物語

寒河江川後編[1]

◆綱場橋(西川)

綱場橋(西川)の写真 何度も架け替えられた綱場橋。住民も思わず足を止める美しい自然が広がっている

 今回の「やまがた橋物語」は、「寒河江川」の後編。西川町中央部の綱場橋からスタートする。国道112号に沿うように上流に向かう寒河江川は、寒河江ダムの月山湖で南に方向を変え、朝日岳の山懐に向かう。大井沢地区の根子橋まで、計十四本の橋を紹介する。

 綱場橋(全長五十五メートル、幅七メートル)は西川町の入間地区と水沢地区を結ぶ。初代は一八九九(明治三十二)年に架けられた。暴風雨や増水で壊れては造り直され、現在の永久橋は五代目になる。

 一九三三(昭和八)年に完成した先代もコンクリート橋だったが、それでも橋脚が流された。住民によると、当時の橋脚は川底の岩盤に穴を開けて建てたので、大水になると不安定になったという。

 自動車の普及に伴って幅員の狭さや老朽化が不安視され、次第に架け替えを要望する地元の声が強まり、九〇年に現在の橋が完成した。周辺道路も整備され、国道112号に直結された。大型のバスやトラックが通るのにも十分な幅で、住民の生活は便利さを増した。入間区長の佐藤郁男さん(76)は「綱場橋は生活に欠かせない基幹道路。地域の産業発展にも貢献してくれた」と話す。

 しかし、時代の流れとともに失われた光景も。当時は両地区に住む者同士の結婚が多く、花嫁は橋を渡って花婿の元に嫁いだ。昭和三十年代までは花嫁行列がしばしば繰り広げられた。佐藤さん夫婦もそのうちの一組。「赤い振り袖を着て、髪を文金高島田に結い、水沢から入間に嫁に来た。緊張していてほとんど記憶にないけどね」と妻の順子さん(72)は懐かしむ。

 新緑のシーズンを迎え、橋の周囲はブナやクルミの木々ですっかり色づいた。近くの家から出てきた男性が橋を渡る途中、ふと足を止めた。欄干に手を掛け、清流と木立が織りなす景色を慈しむように眺めていた。

2009/05/11掲載

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