やまがた橋物語

寒河江川後編[10]

◆中村大橋(西川)

中村大橋(西川)の写真 「おしん」のロケが周辺で行われた中村大橋=西川町

 中村大橋(全長四十一メートル、幅一・五メートル)は、西川町大井沢の中村集落に架かる赤い鉄柱が印象的なつり橋だ。現橋は一九四四(昭和十九)年に架設。橋付近はテレビドラマ「おしん」が撮影された名所でもある。

 おしんの大井沢ロケが行われたのは一九八三年一月。厳寒の橋のそばで、おしんの母(泉ピン子)が流産にするため冷たい川に身を沈めたり、幼少期のおしん(小林綾子)が川で洗濯をするシーンなどが収録された。橋の近くにある中村共同墓地の前では、おしんの祖母の葬列のシーンが撮影され、住民もエキストラで出演。大井沢町内会長連絡協議会の会長、志田義郎さん(71)は「ロケの時は住民そろって興味深く見守っていたが、あんなに有名なドラマになるとは」と振り返る。

 かつて大井沢に生きた人々の暮らしを支えた中村大橋。橋を渡った右岸側は山になっており、橋から通じる狭い登山道は、山を越えて大江町の南又集落に至る西川町道下峠線。大江方面から生活物資を入手するための最短ルートで、五十年ほど前まで山村の大井沢の中でも特に中村、黒渕集落の住民が利用した。志田さんによると、昭和初期の大井沢は無医村。病人が出ると、村人が夏は背負って、冬はそりに乗せて橋を渡り、峠を越えた。時間がかかり、途中で息絶える人もいたという。

 志田さんの亡き母トラノさんは南又から大井沢に嫁いだ。嫁入り道具のたんすを背負って峠を越え、橋を渡った。志田さんが幼少のころ一緒に南又に帰ったことがある。「揺れるつり橋を母と渡って山道を歩いたのを懐かしく思い出す。今は峠越えをする人はいないなあ」としみじみと話していた。

2009/05/22掲載

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