やまがた橋物語

寒河江川後編[13]

◆見附橋(西川)

見附橋(西川)の写真 県道大江西川線の改良工事に伴って架けられた見附橋=西川町

 西川町大井沢地区の県道大江西川線を大江町方面に向かうと、寒河江川としばらくの間並走する。地区の南端にある見附集落が右側に見えてきた所で、初めて交差する。その橋が見附橋。県道の改良工事に伴い一九九二年に架けられた、比較的新しい橋だ。

 橋の上流約百五十メートルの場所には根子川橋がある。かつては県道として地域の交通を支え、現在は町道となっている。近くに住む鈴木喜久子さん(68)は「車一台通るのがやっとの狭い橋だけど、車通りが少なかった昔は十分だった」と振り返る。八六(昭和六十一)年に西川町と大江町を結ぶ大井沢トンネルが完成し、県道の交通量は増加。改良工事により、民家の密集地を避けるバイパスと見附橋が整備されると、住民は胸をなで下ろしたという。

 壮大な自然に魅せられ、大井沢地区まで釣りに来る太公望、移り住む人も少なくない。橋のたもとでオープンガーデンの店を切り盛りする武浪てる子さん(58)=天童市出身=もその一人だ。以前は首都圏で庭のデザインの仕事をしていたが、七年ほど前に本県に戻った際、橋の近くにミズバショウやヤマツツジなどの群生地を見つけ「地域の宝物が荒れ果てないよう、守り残すべきだ」と移住。天然の植物を保全し、生かしながらの庭づくりに取り組んでいる。

 見附橋の上に立つ。見渡すと、晴天の下、田植えが終わった田んぼ、新緑の木々、残雪の朝日連峰が輝きを放つ。平日の昼すぎ、通行量はそれほど多くない。時折、車が走り抜ける時間以外は、川のせせらぎと鳥の声だけが聞こえる。

2009/05/27掲載

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