やまがた橋物語

寒河江川後編[2]

◆水ケ瀞橋(西川)

水ケ瀞橋(西川)の写真 水ケ瀞ダムの下流にある水ケ瀞橋。ダム建設に伴い、一回り大きい橋に架け替えられたという=西川町

 西川町の水沢、入間の両地区にまたがる水ケ瀞(みずがとろ)ダムの下流百メートルほどの所に水ケ瀞橋(全長二十九メートル、幅五メートル)はある。橋の上に立つと、ダムから流れ落ちる水の「ゴーゴー」という音が響いてくる。

 住民によると、現在の橋は永久橋としては二代目で、一九八一(昭和五十六)年に完成した。初代の永久橋より一回り大きくなった。資料がなく詳しい経緯は不明だが、架橋した東北電力や住民は「ダムや発電所建設のため、材料を運ぶ車や重機が通行できる橋に架け替えたのでは」としている。その後、西川町に譲渡され、現在は町が管理している。

 水ケ瀞ダムが八二年に着工するまで、ダムの場所には集落があったという。「評判のいい医者がいたんだ」。橋の近くに住む渡辺昭一さん(74)澄子さん(71)夫妻が農作業の手を休めて語った。「水沢の人たちは病気になると、水ケ瀞橋を渡って診察を受けに行った。近くで水泳ぎや魚捕りをする子どももたくさんいた。渡る人は今よりずっと多かったよ」と当時を懐かしんだ。

 町に伝わる民話「河童(カッパ)の骨つぎ」では、水ケ瀞地区には六百匹のカッパが住み着いたとされる。カッパは「美しい月山、きびしい朝日連峰の万年雪がとけて、瀬となり淵(ふち)となり(中略)さまざまな結構な魚がおどっており(中略)まったく愉(たの)しい所」とたたえている。豊かな自然は現在も人を引き付け、近くの寒河江川には渓流釣りやカヌーを楽しむ愛好者が訪れる。

2009/05/12掲載

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