やまがた橋物語

置賜白川編[3]

◆飯豊橋(飯豊)

飯豊橋(飯豊)の写真 飯豊橋(右)に隣接して残る旧飯豊橋。旧飯豊橋は自転車や歩行者用の橋として利用されている

 日本百名山の一つ、飯豊山の雪解け水がとうとうと流れる春。緑に包まれて、どこか優しげな流れの夏。季節によって違った表情を見せる置賜白川。飯豊町の飯豊橋から見下ろす川は蛇行し、天候次第では秀麗な飯豊山の姿も視界に入る。雪に覆われる冬の流れも含め、町民の誇りとする景色の一つだ。

 現在の橋は二〇〇六年の完成。長さ二一三・五メートル、幅は車道と路肩で八・九メートルで、町内の椿と添川を結ぶ。近くに「添川温泉しらさぎ荘」があり、町外からの利用者も含め、交通量は多い。

 橋は、一九五四(昭和二十九)年十月に、豊原村・添川村・豊川村が合併して飯豊村となった際、添川村が合併の条件として要望したもので、一時は木製の橋が整備された。その後、水害で壊れたため、六六(同四十一)年に“先代”の橋が完成。六七年の羽越水害で町内ほとんどの橋が流出した中で、飯豊橋は無事だった。

 橋が架かる以前は渡船場があり、渡し舟が往来していた。当時の椿地区の商圏は長井市と川西町で、米坂線と長井線の分岐点で交通の要所だった今泉(長井市)に行くにも必要なルート。川西町の置賜農高への通学者も多く利用した。

 「当時は椿側にしか舟番がおらず、川西町からの帰りに対岸から呼ぶのに苦労した」と話すのは同町椿、無職長沼良次さん(81)。「高齢の人だったため耳も遠く、何分も呼び続けた記憶がある」と、笑顔で語った。

2008/01/23掲載

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