やまがた橋物語

須川編第1部[16]

◆金谷橋(上山)

金谷橋(上山)の写真 JR茂吉記念館前駅(右奥)に通じる金谷橋は車の通行が少なく散歩に格好のコース=上山市金谷

 JR茂吉記念館前駅がある上山市の弁天地区と同市金谷地区を結ぶ「金谷橋」は、長さ七十四メートルの立派な橋だが、車が通過することは少ない。橋を渡るのは同駅を利用する自転車や通学の高校生、散歩を楽しむ金谷地区の人がほとんどだ。

 現在の橋は一九九一年三月に完成した平成生まれ。橋の車道部は幅三メートルで車一台分しかない。これは橋の西側の踏切が狭くて軽自動車以外は通行が禁止されていることに加え、橋の東側の金谷地区の道路も狭いため、幅の広い橋を架ける必要がなかったことによる。

 橋の歴史をたどると、先代は六六(昭和四十一)年三月に架けられた。その三年前に水害で流された橋の後継ぎとして木と鋼材が用いられ、長さは今の橋のほぼ半分の三十五メートルだった。それ以前の橋については市役所にも記録が残っていないが、昔を知る市職員によると、つり橋の時代もあったという。

 春本番の日差しが降り注ぐ昼前、橋の上がにぎやかになった。陽気に誘われ散歩に繰り出した、近くにある山形ひかり学園の職員と子どもたちだ。橋を渡り切り、踏切を越え、駅を見下ろす所で一休み。ほどなく東京行きの山形新幹線「つばさ」が通り過ぎた。

 学園職員の富樫昭夫さん(62)は「めったに橋を渡る車がないから、子どもたちと安心して散歩できる」と話す。橋の真ん中で須川の流れに浮かぶカモを眺めながら、富樫さんたちは、またゆっくりと歩き始めた。

2008/03/27掲載

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