やまがた橋物語

須川編第1部[7]

◆飯塚橋(山形)

飯塚橋(山形)の写真 交通量が多い県道に架かる飯塚橋=山形市飯塚町

 一九六六(昭和四十一)年に架けられた「飯塚橋」は、山形市の西部と霞城公園や山形駅などの街中心部を一直線で結ぶ県道の飯塚町にある。全長九十三メートル、幅六メートル。交通量は今も昔も変わらず多い。

 飯塚町郷土史研究会の小山忠一会長(79)=同市飯塚町=によると、この場所ではかつて舟渡しが行われていた。両岸に船頭の住む家があり、左岸側の家は十年ほど前まで現在の橋の橋脚付近に残っていたという。また、橋よりやや下流の右岸には、江戸時代の舟運で荷物の受け渡しをした船頭たちが安全を祈願した「荷渡し権現」のお堂が残り、船着き場であったことを示している。

 時を経て木橋が架けられ、主に大曽根地区の住民が街中心部まで出掛けていく時に利用していたが、四七年の洪水で流失。その橋げたは一キロほど下流の椹沢(くぬぎざわ)橋まで流された。

 「須川の右岸に住み、橋を渡って大曽根小に通っていた子どもたちは、回り道を強いられて大変な思いをした」と小山さん。当時、この付近の須川の流れは今よりも大きく蛇行しており、洪水の原因になっていた。橋の修復とともに川の流れを滑らかにする工事も行われた結果、洪水被害は減少。その後、木橋の老朽化に伴い、現在の橋が架けられた。

 小山さんの世代では、須川西部の村木沢や柏倉地区から飯塚地区に嫁いでくる女性が多かったという。「飯塚橋を渡って男女が出会い、この橋を渡って嫁いできた女性もいただろう」。人生の節目に渡った橋に、感慨深い思いを持っている人もいるはずだ。

2008/03/11掲載

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