やまがた橋物語

須川編第1部[9]

◆前明石橋(山形)

前明石橋(山形)の写真 前明石橋の下流左岸には水位観測を行う目盛りが記された大きな柱が立つ=山形市前明石

 山形市の南部と置賜地方を結ぶ国道348号に「前明石橋」が架かる。三代目として一九八一(昭和五十六)年に架けられ、現在、一日に約一万三千四百台の通行量がある。明治以降、小滝街道と呼ばれてきた交通路の重要な橋だ。

 一九〇〇(明治三十三)年の南村山郡議会の記録に「郡内で須川に架かるのは前明石の橋と常磐橋だけ」とあり、当時、前明石地区に初代の橋があったことが分かる。ただ、山形市史の年表には橋の記述がなく、架設された時期は分からない。

 初代の橋が架け替えられたのは三一(昭和六)年。車といえばまだ荷車の時代とあって、二代目の橋の幅は往来するには十分な五メートル強だった。やがて自動車が増加する七〇年代に入ると、この幅が渋滞の原因になった。

 七四年、小滝街道が県道から国道に昇格したことを契機に、交通のネックとなっていた前明石橋の架け替えが決定。現在の橋は七年の歳月をかけて建設され、幅は一気に旧橋の約三倍となる一四・五メートルに拡大され、全長百四十五メートルという堂々たる姿になった。

 「昔の橋は国道の北を通る旧道と同じ高さだったので、雨が続くと須川の水面が橋げたすれすれまで上がった」と、橋の東側に住む前明石地区自治会長の内海泰信さん(59)。現在の橋は堤防整備に伴い旧道より三メートルほど高くなった。

 須川は近年まで何度も洪水を発生させた。現在は国土交通省と県が超音波を使って水量を観測する機器を設置し、二十四時間監視している。前明石橋の下は須川に六カ所ある水位観測点の一つで、左岸河川敷には増水時に目視観測するための目盛りを記した金属柱が立っている。

2008/03/13掲載

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