やまがた橋物語

須川編第2部[12]

◆宮川橋(上山)

宮川橋(上山)の写真 旧羽州街道が通る楢下地区で須川に架かる「宮川橋」=上山市

 江戸時代に羽州街道の宿場・楢下宿として栄えた上山市楢下地区の北側にある「宮川橋」は一九六二(昭和三十七)年、同市が担う頑丈な永久橋建設事業の先駆けとして架けられた。全長は三十メートル。

 橋の親柱に「宮川橋」のプレートが埋め込まれているが、別の一本には「宮川」というプレートもある。これは橋が完成した時、川が宮川と呼ばれていた名残だ。六四年、河川法改正による水系一貫管理制度の導入で、川の名称は中流部以降と同じ「須川」となった。

 橋の南側で豆腐店を営む粟野清治さん(68)は、子どもの時から代々の橋を見てきた。「現在の橋の前は木橋で、さらにその前は杉の丸太を縦に切って渡しただけだった」と話す。その丸太の橋から粟野さんの同級生が落ちたことがあったという。「小学一年生の時だったかな。祖父が気付いて助け上げたんだ」と粟野さん。八十三歳で亡くなった祖父の芳吉さんは転落した保健師を救助したこともあったという。

 大水の時は怖い須川も、普段は子どもたちにとって格好の遊び場だった。三十年ほど前に行われた河川改修の前は、橋の下にあった中州でカジカを捕まえた。集めた木の枝を燃やして焼いた石に魚を挟み、石焼きにして食べたという。七三年に上流に菖蒲川ダムが完成し水害はほとんどなくなったが、カジカは姿を消してしまい、野趣あふれる遊びも昔話になった。

 コンクリート製の永久橋だが、欄干はさびが覆い、車が衝突した親柱は少し傾いているなど、傷みが目立つ。完成から半世紀近くが経過したことが見てとれる。

2008/05/26掲載

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