やまがた橋物語

月光川編[15]

◆西浜橋(遊佐)

西浜橋(遊佐)の写真 月光川の最も下流に架かる西浜橋。かつては海水浴場に向かう人たちでにぎわった=遊佐町吹浦

 夏になると、遊佐町吹浦の西浜橋は橋を埋め尽くすほどの人たちが列を成して歩いていた。多くの住民は、橋がにぎわっていたその光景を覚えている。

 長く地元に住む吹浦公民館の赤塚脩館長(70)が昔の橋の写真を何枚か見せてくれた。まずは昭和30年代の様子を語ってもらおう。

 「まだ吹浦全体で車が1台あるかないかの時代。夏には、麦わら帽子をかぶった大勢の人たちが西浜橋を歩くんだ。海水浴場に行くためにね。列車で来た人たちが近くの吹浦駅からぞろぞろ歩く様子は夏の風物詩だったな」

 一方、月光川の最も下流にあるこの橋も水害に苦しめられてきた。木の橋だった時代が長く、数年に一度は日本海へ流された。上流からのごみが橋脚に引っ掛かって橋が壊れたこともあり、何度も通行不能となった。

 赤塚さんによると、流された後に新しい木の橋を架けようとしていた際、西浜海水浴場近くの工場で火事があった。消防は上流部へと迂回(うかい)して対岸に向かい、家財を守るため泳いで月光川を渡った人もいたという。

 1977(昭和52)年、現在のコンクリート橋(長さ142メートル)が完成した。「物流面での効果は大きくないかもしれないが、流される心配がなくなっただけでも良かった」と赤塚さんは話す。

 車が普及し、列を成して歩いていた人の姿は消えた。それでも、夏になると多くの往来があるこの橋は、地元のシンボルともいえる西浜海水浴場や吹浦漁港につながる大事な橋として、住民を支え続けていく。

2011/02/04掲載

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