やまがた橋物語

最上小国川編[14]

◆長沢橋(舟形)

長沢橋(舟形)の写真 「あいさつばし」の愛称で地元住民から親しまれている長沢橋=舟形町

 舟形町長沢の県道新庄長沢尾花沢線に架かる「長沢橋」。橋の北側に「あいさつばし」と書かれた青い看板が立ち、地元住民からはこの愛称で親しまれている。建設当時の心温まるエピソードが、愛称の由来だ。

 長さ61メートル、幅7メートルの現在の長沢橋は、大正時代に架設され老朽化した旧長沢橋の隣に1987(昭和62)年、設けられた。その橋げた工事に、埼玉県の男性を親方としてとび職の6人が訪れた。期間中、長沢小、長沢中の児童、生徒たちは、通学時は「おはようございます」、帰宅時は「さようなら」と作業員にあいさつしながら、旧長沢橋を渡っていた。

 元気なあいさつを欠かさない子どもたちに、とび職として長年、全国各地で働いてきた親方も「こんな気持ちのいい経験をしたことはない」と感動したという。工事が終了して町を離れる際、作業員たちは元気をもらったお礼にと、長沢小に3万円を寄付。同校はこのお金で「あいさつばし」の青い看板を立てた。

 以来、長沢橋は住民の間で「あいさつばし」と呼ばれることになる。あいさつを通じて広がるふれあいの輪を大事にしたいという思いから、愛称が定着したという。

 当時、民生児童委員を務め、通り掛かりに作業員たちとよく話をした八鍬朝吉さん(83)は「今でも子どもたちは元気に住民とあいさつを交わす。素直な気持ちは時代が変わっても受け継がれており、頼もしい」と笑顔で話していた。

2010/10/05掲載

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