やまがた橋物語

最上小国川編[6]

◆月楯橋(最上)

月楯橋(最上)の写真 ゴールデンウイークになると、こいのぼりが掲げられる月楯橋=最上町

 ゴールデンウイークになると、約40のこいのぼりが掲げられる「月楯橋」。月楯小児童の保護者らが長年取り組んできたが、少子化の影響で保護者も少なくなったため一時途絶え、4年前に月楯公民館事業として復活させた。

 公民館長の渡部穆彦さん(63)は「地元の消防団員が中心となり、公民館に眠っていたこいのぼりを掲げている。毎日、(学校から離れている)萱場地区から歩いて登校してくる子どもたちへの住民たちの思いが込められたものだ」と語る。

 対岸の萱場地区から橋を渡って月楯小に通う子どもたちは本年度、全校児童20人のうち7人。最も遠い家からは約3キロも歩く。冬季間だけは最上中のスクールバスに同乗できるが、低学年の児童にとっては長い道のりだ。猛暑だった今夏は、汗びっしょりになりながら登校していたという。

 住民の子どもたちに対する思いがうかがえる思い出話を聞いた。終戦直後の昭和20年代、洪水のたびに流される丸木橋が架かっていた。萱場地区の子どもたちが通学で橋を渡る際、地元の年配者が堤防の上から見守っていたという。同地区の農業阿部公一さん(74)は「融雪による増水期、低学年の児童が丸木橋から転落した。当時高学年だった自分たちでは、どうすることもできなかったが、200メートルほど流されたところで、じいちゃんが川に入って助けてくれた。見ていてくれているという安心感があった」と振り返る。

 現在の月楯橋(長さ142メートル、幅4.5メートル)は1969(昭和44)年10月に完成。頑丈な永久橋は子どもたちの安全を確保している。

2010/09/21掲載

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