やまがた橋物語

村山野川編[7]

◆馬道橋(東根)

馬道橋(東根)の写真 かつて荷馬車が行き交った馬道橋。今は通勤路となったが、日中は行き交う車は少ない=東根市野川

 馬車が多く通ったことから名付けられたという、東根市野川地区の市道に架かる馬道(うまみち)橋。1981(昭和56)年に木橋から架け替えられた長さ38メートル、幅10メートルのコンクリート橋だ。周辺には果樹や野菜の畑が広がる。

 橋を南進すると、同市太田新田地区を経て天童市川原子地区で国道48号につながる。朝夕は野川地区や隣接地区の人たちの通勤ルートになっており、交通量が多い。東根三中生や東郷小の児童らも行き来する。半面、日中は近くの特別養護老人ホームの小形バスや農作業の軽トラックが通るだけで静かだ。

 ある日の夕方、同中3年の太田瑞生さん(14)と大江礼華(あやか)さん(15)が自転車で橋を通り過ぎた。「ボランティア活動で地区内のお年寄りに花をプレゼントしてきたところ。これから学校に集合なんだ」と話した。

 太田新田地区長の太田進さん(65)によると、以前は橋の北の丁字路角に製材所があった。太田新田を含め、村山野川の南側は江戸時代、松を主とした御林(おはやし=領主直轄の林)だった。それが明治以降に売却、林は伐採され、果樹園などの農地に生まれ変わった。「伐採された木が馬車に載せられ運ばれたことから、馬道橋と呼ぶようになったのだろう」と語る。

 太田さんは、5歳の時に野川地区から馬道橋を渡り、太田新田に引っ越した。父親が引く、家財道具を積んだ大八車の上に妹と乗せられ新居に着いた。すると、両親が忘れ物をしたと元の家に戻ることに。1本のろうそくの明かりで妹と待つのは心細かったと話す。「電気も車もない時代の昔話だね」と太田さんはしみじみ語った。

2010/11/26掲載

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