やまがた橋物語

日向川編[13]

◆宮海橋(酒田、遊佐)

宮海橋(酒田、遊佐)の写真 酒田と遊佐を結ぶ国道7号の宮海橋。左側にあるのが側道橋=酒田市宮海

 酒田市宮海と遊佐町藤崎をつなぐ宮海橋は、新しい国道7号の整備に伴い、1966(昭和41)年1月に開通した。鋼製で長さ223メートル、幅8.8メートル。ひっきりなしにトラックや乗用車が往来する橋のすぐ隣には、91年に完成した歩行者や自転車用の側道橋が架けられている。

 国道が整備される以前、一帯は酒田側も遊佐側も砂地と畑ばかりで、民家はほとんどなかった。鉄工会社を経営する高橋武三さん(77)=同市宮海=はもともと海岸近くの砂飛集落に住んでいたが、新しく国道が造られるというので62年に国道沿いの現在の住所に引っ越した。当時は近くに橋がなかったため、遊佐方面に行くには上流部に架かる日向橋や下流部の栄橋まで迂回(うかい)。川の対岸側に畑を持つ人たちは、川にロープを張って舟で渡っていたという。

 国道と橋が完成すると、民家だけでなく、工場や食堂も次々と建ち、一気に発展した。「橋や道路でこんなに大きく変わるんだね」。高橋さんと妻の道子さん(73)は懐かしむ。

 同町比子の国道沿いに住む本間オス美さん(84)は、近所からのもらい火で自宅が焼けたため、63年に近くから移り住んだ。「この辺りでは最初の住人で、当時はまだ、電柱や水道管が整備されていなかった。苦労が多かっただけに、橋と道路ができた時は生活が便利になって本当にうれしかった。人生が変わった」と笑顔で話した。

2011/07/20掲載

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