やまがた橋物語

日向川編[14]

◆栄橋(遊佐)

栄橋(遊佐)の写真 向かって左側がコンクリート製で右側が木製の栄橋。全国的にも珍しいという=遊佐町比子

 日向川の最下流に架かる遊佐町比子の栄橋(全長125メートル、幅3メートル)は、中央を境に左岸側がコンクリート製、右岸側が木製という独特の造り。町の担当者は「全国的にも珍しいのでは。ちょっと恥ずかしいですけどね…」と話す。

 もともとは全て木橋で、1956(昭和31)年に架けられた。なぜ、今のような形になったのか。地元では一時、左岸側の酒田市はコンクリート橋を造ったが、右岸側の遊佐町は財政難のために木造にしたという話がまことしやかに広まった。しかし、栄橋は全体が遊佐町内にある町道で、うわさは事実ではない。

 真相はこうだ。前町議会議長の高橋信幸さん(70)=同町当山=によると、74年ごろの大水で橋の左岸側だけが流され、国の災害復旧事業で直すことになった。だが原形復旧が原則。流された半分だけを当時の基準に沿ってコンクリート橋として架け直したものの、残りは木橋を残した。

 コンクリート部分と木橋には1メートル弱の差がある。町によると、河川管理者の県が洪水に備え、コンクリートの橋脚を高くするように指導したためだという。

 64年の新潟地震でも損壊した。当時高校生だった団体職員本間克修さん(63)=同町比子=には忘れられない思い出がある。停電で暗闇の中を自転車で下校中、橋の一部が崩落しているのに気付かずに進み、自転車ごと川に落ちた。本間さんは自力で橋脚を登り、自転車はゴムひもで引っ張り上げた。

 木の部分は腐食が進んだため、高欄を鉄パイプで補強。新しく架け替えると4億円ほどかかるといい、現時点では予定はない。昔の姿のまま踏ん張り続ける栄橋の姿を一度、見てみては。

2011/07/21掲載

上流へ日向川編おわり
文字サイズ変更
  • 小
  • 中
  • 大

県内7市発行メールマガジン登録無料

ふるさとだより

週1回配信中!

ニュース特集

スポーツ

教育・子育て

おでかけ

暮らし情報

twitter発信中

山形新聞からお知らせ

  1. 【2018年8大事業】
     山形新聞、山形放送の2018年の8大事業が決まりました。詳しくは、こちらから
  2. 【やましん公式FB】
     山形新聞社は、インターネット交流サイト「フェイスブック(FB)」の公式ページを新設しました。
     公式ページでは山形新聞のニュースのほか、本社からのお知らせなどを中心に紹介します。
     アドレスは、こちらから
  3. 【やましんe聞で動画視聴】
     読者限定の電子版「やましんe聞」で動画を閲覧できる新サービスを始めました。詳しくは、こちらから。
  4. ◆中学、高校の各種スポーツ大会の記録を紹介。検索機能も備えています。アクセス方法はこちら
  5. ◆探したい記事がきっと見つかる、山形新聞記事データベース。他社DB横断検索が便利な日経テレコンジー・サーチファクティバ
  6. ◆県外でも今日の朝刊が朝一で読める「お届け電子版
  7. ◆ニュース速報、高校野球、モンテ情報、おくやみ… 身近な情報を携帯で確認「モバイルやましん
  8. ◆故郷の話題をメールでお届け、ふるさとメール会員募集(登録無料)
山形新聞から
販売から