やまがた橋物語丹生川編[11]◆和合橋(尾花沢)![]()
尾花沢市の和合橋(全長168メートル、幅6メートル)は市中心部と荻袋の和合集落とを結ぶ。橋のすぐ上流で合流する牛房野川に沿って北に車を走らせれば、ほどなくホタルの里として知られる牛房野地区にたどり着く。 現在の永久橋は1974(昭和49)年に架け替えられた。それまでの木橋は、洪水で橋げたが流され、何度か架け替えられているという。近くに住む菅野正義さん(87)は「戦前の木橋は幅3メートルほどだった」と思い返す。さらに34年ごろまでは丸太橋だったという。当時小学生だった菅野さんは「丸太3本を並べたものを三つつなぎ、矢倉の上に並べた“手づくり”の橋だった」。大雨のたびに流されたという。 「丹生川の水位が下がるとすぐに復旧工事が始まった。青年団がリーダーになり、住民総出だった。集落の団結力が発揮されて、素早い架け替え工事だった」と振り返る。 現在、橋のすぐ上流は広々としたグラウンドが整備されている。地区の運動会が開かれたこともあった。今は住民のゲートボール場などに活用されている。 橋のすぐ下流に和合頭首工が見える。75年から16年掛け行われた国営村山北部農業利水事業で整備された3頭首工の一つ。上流にある新鶴子ダムとともに造られた。84年に完成。かんがい面積は大石田町の一部を含む633ヘクタールに上る。 満々と水をたたえる姿から、かつての干ばつへの憂いは想像できない。天候に翻弄(ほんろう)されてきた農民の心までも潤すようだ。 2009/07/22掲載
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