やまがた橋物語

丹生川編[4]

◆下柳渡戸橋(尾花沢)

下柳渡戸橋(尾花沢)の写真 銀山温泉に向かう大型観光バスが日に何台も下柳渡戸橋を通行する=尾花沢市下柳渡戸

 尾花沢市下柳渡戸(しもやなぎわたりど)にある県道銀山温泉線の下柳渡戸橋(全長62メートル、幅員10メートル)は、同市中心部から約15キロ離れた銀山温泉まで、観光客を運ぶ大型バスが、日に幾度となく通行する。春には、シバザクラが眼下に広がる新名所になっている。

 かつて銀を産出し名をはせた延沢銀山。尾花沢市史によると、隆盛期に形成した「銀山町」が、西は「柳渡戸村」まで広がっており、人口は現在の尾花沢市に匹敵する約2万人だった。いまは「大正ロマンの隠れ湯街・銀山温泉」として知られ、全国から観光客が訪れる。

 橋は同市街地から銀山温泉に向かって約10キロの地点にある。市は去年4月、市営路線バス・銀山線に、レトロ調の外観のボンネットバス「銀山はながさ号」を導入した。田園風景の中をゆっくりと走る姿は観光客に受けている。春先、バスが下柳渡戸橋上を通行する時、華やかなピンク色に染まった堤防が乗客の目に飛び込んでくる。橋から下流約300メートル区間に植栽されたシバザクラだ。

 橋の近くに住む農業柳元鉄男さん(79)が、1999年に行われた災害関連の護岸工事に感謝して、一人で植栽や追肥、草取りなどを続けている。丹生川は、下柳渡戸橋の下流で右にほぼ直角に蛇行しているため、はんらんしやすかった。「堤防そばに田んぼがあり、河川改修前は、毎年のように大水による土砂被害に遭っていた」と柳元さん。「護岸工事への恩返しの気持ちで植え続けている」と話す。花の帯は年々延び、今では300メートルを超えるまでになった。

2009/07/09掲載

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