やまがた橋物語

鬼面川編[2]

◆松ケ根橋(米沢)

松ケ根橋(米沢)の写真 歩道橋(左)と親子のように並んで架かる松ケ根橋=米沢市

 米沢市塩井地区と広幡地区を結ぶ国道287号の松ケ根橋は長さ178.5メートル、幅8メートル。歩道橋と親子のように並んで架かる。JR米坂線鬼面川鉄橋との間の約350メートルの河原には公園が広がり、市内きっての芋煮会の会場として知られる。ピーク時には1週間前から場所取りをするグループもいるほどだ。

 1964(昭和39)年に永久橋となった松ケ根橋。旧橋は木製だった。58年ごろから老朽化のため、4トンの重量制限が課されたが、危険と知りつつ渡ってしまうドライバーが後を絶たず、何度も崩落の憂き目にあった。地元の要望もあり、県は61年から8千万円をかけて架け替えに着手した。

 だが、国の補助金が計画通りに執行されないといった事情もあり、工事は遅々として進まなかった。その間は旧橋を補修してしのいだが、それも限界を迎え、住民の不満は最高潮に。当時の山形新聞は度々「何度も崩落するので住民のイライラが募っている」と“惨状”を伝えた。

 架け替え運動まで起こした地元の熱意が実ったのは事業開始から3年後。雪解けからわずか半年余りで橋本体が完成し、64年12月に渡り初めを行った。当時としては置賜地方で2番目に長い永久橋だったという。92年12月には橋の下流側に歩道橋も完成した。

 完成から45年を経たが、補修を繰り返し、今でもしっかりと交通網を支え続ける松ケ根橋。近くには、明治時代に塩井地区で漢学などを教えた香坂全昌(よしまさ、1835~1903年)の功績をたたえ、当時の門下生が建立した「報恩碑」がたたずむ。戊辰(ぼしん)戦争での武勲や教育振興の業績が刻まれ、郷土の偉人を顕彰している。

2009/11/05掲載

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