やまがた橋物語

鮭川編[3]

◆詰田沢橋(真室川)

詰田沢橋(真室川)の写真 木材を運んだトロッコ列車がかつて走った詰田沢橋。今は釜渕に抜ける近道として利用されている=真室川町

 木材を積んだトロッコ列車が走っていたのは、真室川町差首鍋の詰田沢橋(全長49メートル、幅5メートル)。左岸・詰田沢と右岸・沼田の両集落を結び、住民から“トロッコ橋”として親しまれた。

 元は柴の橋。現在より約100メートル下流にあり、大雨のたびに流されては架け直した。次はつり橋だが、豪雨で橋脚が流失したことも。詰田沢の藤山富二夫さん(63)は「小学生の時つり橋が流され、山越えして安楽城小差首鍋分校(現差首鍋小)に通った」と語る。

 国有林から伐採された木材を、トロッコ列車で沼田集落に運ぶためにできたのが木橋。作業に従事した富二夫さんの両親、一郎さん(89)キミ子さん(84)は「戦後、やぐらを組み、作業員20人ほどが掛け声に合わせて丸太を川の中に打ち込んで架けた。レールの間に幅30センチほどの板2枚が敷かれ、そこを歩いて渡った」と口をそろえる。

 橋近くの高橋昭正さん(78)と高橋幸雄さん(73)は「木材の集積場だった沼田にトロッコ列車の機関庫や炭の保管倉庫、事務所が立ち、にぎわったものだ」と懐かしむ。トロッコ列車は1953(昭和28)年に廃止となった。77(同52)年、永久橋になり、国道344号から釜渕、国道13号に抜ける近道の橋として利用されている。

2012/01/22掲載

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