やまがた橋物語

鮭川編[4]

◆中村橋(真室川)

中村橋(真室川)の写真 通学路にもなっている中村橋。後方は中村集落=真室川町

 真室川町の差首鍋小の近くに架かり、詰田沢橋から1.2キロ下流にあるのが中村橋。左岸の中村集落の住民にとっては、水害に苦しんだ歴史を刻む橋でもある。

 昭和20年代ごろまでは柴で造った橋で、豪雨のたびに流失。架設までに1週間ほどかかった。この間、中村の子どもたちは神社や郷倉で勉強した。地元の斎藤和夫さん(70)は「鮭川の水かさが増してくると、中村の子どもたちは早退させられた。児童の安全を考えての対応だった」と話す。

 その後、住民が大きなやぐらを組み、苦労して架けたのが木橋。丸太が傷むと交換し、冬は雪かきして渡った。念願の永久橋(長さ86メートル、幅5メートル)になったのは1973(昭和48)年。「危険だった橋が永久橋になり、感激した。地域がパッと明るくなったようだった」と斎藤さん。

 中村橋そばの差首鍋多目的広場は親水公園としてにぎわう。差首鍋小の観察授業や芋煮会、サケ放流、さらに住民同士の交流にと利用されている。

 差首鍋小6年の斉藤富廣君(12)、4年の拓矢君(10)兄弟は中村橋を渡って通学している。橋のたもとに立つと、目に飛び込んでくるのが薄いピンクの校舎。学校は今春、138年の歴史にピリオドを打つ。富廣君は「中村橋は唯一の通学路。学校がなくなると思うと寂しくなってくる」としんみりと語った。

2012/01/23掲載

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