やまがた橋物語

立谷川編[1]

◆中嶋橋(山形)

中嶋橋(山形)の写真 立谷川で最も上流部に架かる中嶋橋=山形市

 山形市山寺地区で、JR山寺駅の東約400メートルの所に架かる中嶋橋(長さ25.4メートル、幅4メートル)は、建物の土台などに使われた山寺石を運搬するために架けられた。現在のコンクリート橋は1979(昭和54)年10月、木橋から架け替えられた。

 中嶋橋から市道を立谷川に沿って南東の山の方に進むと、当時の石切り場が見えてくる。山寺から切り出される石材の中でも「あま石」と呼ばれていた凝灰岩は、土木工事の資材として重宝され、石垣や石段などさまざまな用途に使われた。山形や天童、寒河江など内陸各地のほか、庄内方面まで広く流通し、石橋にも使用された。採石は55年ごろまで続き、山寺の多くの人たちが採石や石材運搬、石工に従事していた。

 山寺で駐車場の管理をしている遠藤弥右エ門さん(79)は石切り場を石切山と呼んでいたという。「小学生のころは大型トラックなどがなかった時代。切り出した石を積んで木橋を渡る馬車をよく眺めた」と遠藤さん。川がはんらんして木橋が流されてしまい、現在のJR仙山線の鉄橋を渡って対岸の学校に通ったことも思い出と話す。

 石切り場が閉じられ、山寺石を運んだ馬車も昔話となった今、中嶋橋を渡るのは地区の人の車や散歩をする人がほとんどだ。市道整備に伴い、中嶋橋は数年後に架け替えられる予定になっている。

 山形市山寺地区の東にある二口峠付近を源流とする「立谷川」は、名刹(めいさつ)立石寺の門前町や立谷川工業団地などのそばを流れ、同市中野目地区で須川に合流する。全長は約15キロで、橋は13本ある。観光客が行き交う橋、小中学生の通学路の橋、国道の橋など、橋それぞれの歴史やエピソードを上流部から紹介してゆく。

2011/03/10掲載

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