やまがた橋物語

立谷川編[7]

◆べにばな大橋(山形、天童)

べにばな大橋(山形、天童)の写真 べにばな大橋の入り口にはベニバナのレリーフが設置されている=天童市荒谷側

 山形市の立谷川工業団地と天童市の県総合運動公園を直線で結ぶ市道上に、緩やかなアーチ型のべにばな大橋(全長約78メートル、幅13メートル)が架かる。同運動公園の陸上競技場が1992(平成4)年10月、べにばな国体秋季大会のメーン会場となり、同橋は会場周辺の交通網整備の一環として新設された。

 橋は3年半の工事で国体開催3カ月前の92年7月に完成。架橋により渋滞が多い国道13号の迂回(うかい)路が確保され、運動公園や立谷川工業団地に出入りする車両の交通がスムーズになった。橋の入り口部分に県の花ベニバナのレリーフが飾られ、歩道のカラータイルには国体のマスコットキャラクター「たいき君」などがデザインされている。

 橋が架かる天童市荒谷在住で、郷土史に詳しい、元教員の村形喜男さん(79)によると、橋付近の川沿いには200年前ごろ、霞堤(かすみてい)という堤防が築かれた。水を逃がす開口部を所々に設けて洪水時の流量を減少させる造りで、現在も名残の石積みがある。立谷川の水は清く、野鳥や水生昆虫が多いという。

 村形さんはべにばな国体のこともよく覚えている。村山農業高の校長まで務めてこの年の3月に退職したが、国体運営に関わっていたため開会式に参加した。「天皇陛下に向けて男が発炎筒を投げつける事件が起きた際、皇后さまがとっさに陛下を守ろうとされた姿が忘れられない」と話し、「開会式終了後は2万人以上の人たちがどっと競技場から出ていった。新しい橋が整備されたこともあり、大渋滞にはならなかったようだ」と振り返った。

2011/05/13掲載

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