やまがた橋物語

内川・新内川編[10]

◆開運橋(鶴岡)

開運橋(鶴岡)の写真 個性的なデザインの開運橋。今も昔も、住宅地と商業地を結ぶ橋として市民が利用している=鶴岡市

 鶴岡市泉町から川端通りへと架かり、芸術性たっぷりの独特のデザインが目を引く開運橋。市中心部の住宅地と商業地を結んでいる。

 架設時期、名前の由来などに関する明確な資料が残っておらず、諸説伝わる。架設は1868(明治元年)、また79(同12)年とも。名称は、橋付近に商店が軒を連ねた「八間町」の地名から「八間町橋」、「橋の欄干が赤く塗られていた」ことから「アカ橋」とも呼ばれていたという。

 その後、開運橋に改名されたものの、「いつ改名されたのか、なぜ『開運』となったのかを示す資料は見当たらない」と市郷土資料館担当者。ただ、すぐ上流に「千歳橋」もあることから、ある地元住民は「商売人の多い地域だから、縁起の良い名前を付けたんでしょう」と話す。

 現在のコンクリート橋(長さ27.6メートル、幅15.35メートル)は、1998年、旧櫛引町出身の彫刻家富樫実さんが「空(くう)にかける階段」をコンセプトにデザインし、架け替えられたもの。上部に白御影石が載る欄干は、アルミ鋳物で微妙に形状の異なる360枚の板を柵状に並べている。見る場所によってさまざまな曲線を描きだしている。

 創業から約60年間、橋のたもとで海産物の卸売業を営む鶴岡魚類の3代目社長五十嵐俊博さん(57)は、生まれてからずっと開運橋を見続けてきた。「子どものころは木の橋で、砂利が敷き詰められていた。川端通りには飲食店が並び、にぎわっていた。通勤や通学の通り道にもなっていて、橋上には常に人の姿があった」と懐かしそうに話しながら、「今は車ばかりで、渡る人は減ってしまった」と少し寂しそうに続けた。

2010/05/20掲載

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