やまがた橋物語

内川・新内川編[7]

◆鶴園橋(鶴岡)

鶴園橋(鶴岡)の写真 鶴岡市消防本部脇にある鶴園橋。夜には欄干にライトがともされ、風情を漂わせている=鶴岡市本町1丁目

 鶴岡市消防本部脇にある鶴園(つるぞの)橋は江戸時代、当時の地名にちなみ「十日町橋」と呼ばれていた。西側に鶴ケ岡城があり、東側の町人の街とをつないでいた。

 江戸初期に架けられたと言われる十日町橋は、1876(明治9)年に架け替えられた際、近くの三日町橋(現・三雪橋)や五日町橋(現・千歳橋)などとともに改称。この前年に解体された同城の古材を利用したといい、鶴園橋の名前は鶴ケ岡城の「鶴」と、城跡地にできた鶴岡公園の「園」に由来するという説もある。

 橋の近くに住む無職、池田順治さん(80)は「橋のたもとにはかつて舟着き場があった。江戸時代は城に仕えていた女性たちが宿下がりの時、この舟着き場を利用したと聞いたことがある」と話す。

 1951(昭和26)年にコンクリート製になった。橋のたもとで江戸時代から続く荒物屋「森茂八商店」を営む森久市さん(67)は当時、史跡旧致道館の場所にあった朝暘一小の児童。架け替え工事中、登校には鶴園橋北側の三雪橋まで迂回(うかい)しなければならなかった。ところが、「ねぼすけだった」という森さんは遅刻しないようにと、工事中の橋を綱渡りするかのように渡ったとか。「途中で足がすくんで動けなくなることもあったんだよの」と笑う。

 95年に完成した現在の橋は、長さ29メートル、幅18メートル。夜になると欄干にはライトがともされ、川にオレンジ色の光を映し出し、独特の風情を漂わせている。

2010/05/17掲載

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