やまがた橋物語

吉野川編前編[15]

◆在家橋(南陽)

在家橋(南陽)の写真 県道バイパス工事で2006年に完成した「在家橋」。公募で地域にゆかりの深い名前が付けられた=南陽市金山

 吉野川を下り金山地区に差し掛かると、山が両側に迫っていた地形に緩やかさが感じられるようになる。2次改良工事ですっきりした線形のバイパスに生まれ変わった県道山形南陽線に架かるのが、在家橋(2006年完成、長さ32.5メートル、幅13メートル)だ。

 在家とは仏教のそれではなく「領主が年貢を課するときの単位」(南陽市史)。荘園領主や摂関家、その後の地頭大名は、年貢の取り立てを在家単位に行った。置賜地方に多い地名で、この地区では白山在家、黒在家、畑在家がある。白山在家橋(1971年完成)の名にもなっている。

 県道2次改良金山工区は97~2008年、3期に分けて工事が行われ、原橋(03年完成)在家橋、穴戸橋(08年完成)などが整備された。「新たに建設された在家橋は名前が公募された。候補として『三在家橋』が浮上したが、呼びやすいようにと的に在家橋になった」と金山公民館長の高橋与一さん(64)。

 高橋さんによると、公民館の場所にあった旧金山小に、原橋の北側から通っていた56(昭和31)年、吉野川の洪水で穴戸橋、小学校のグラウンドが流されたことがあった。「橋が渡れず西の山を通学していた。友達と野球もできなかった」と当時の記憶をたどってくれた。

2011/09/21掲載

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