やまがた橋物語

吉野川前編[4]

◆招福橋(南陽)

招福橋(南陽)の写真 小滝集落の東側を回り込むように整備された県道に架かる招福橋。ツーリングの2人組が宮内方面へさっそうとバイクを走らせた。右奥が高野橋=南陽市

 源流部から北へと流れ下った吉野川は、国道348号脇を東進した後、小滝集落の入り口付近で再び大きく方向を変え、県道山形南陽線に沿って南流を始める。その軌跡は巨大な釣り針、疑問符を思わせる。宮内方面にカーブを切って間もなくの位置にあるのが招福橋だ。山形南陽線改良事業で新たに整備されたこの橋は1991年完成。長さ24.7メートル、幅10メートル、片側に歩道が付いている。

 南陽市宮内-小滝の山形南陽線は、古くは小滝街道と呼ばれる山間ルートの一部。塩や米、紅花、青苧(あおそ)、絹糸などさまざまな荷駄が、山形や遠くは仙台との間で行き交った。小滝集落から小滝峠に向かう八丁坂下には番所があり、通行人や荷物を改めたという。上杉軍の最上攻め(1600年)の際にもこの街道を通るなど、軍事上も重要な位置を占めていた。

 地域に多くの富をもたらした旧街道。国道、県道の改良による現代版「招福」への思いが、新設の橋に込められた。一方、すぐ下流の高野橋(1972年完成)は旧小滝街道筋。東の山道へと足を進めれば旧国道348号の小滝峠へと達する。

2011/09/08掲載

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