談話室

▼▽鶴岡市で過ごした少年時代、後の映画監督は夏には川をせき止めて水浴び。冬は一面の銀世界でそり滑りに興じた。片や後の作曲家は、北海道の原野の村でアイヌの子どもたちと遊んでは、彼らの民族音楽に親しんだ。

▼▽本多猪四郎(いしろう)と伊福部(いふくべ)昭(あきら)。片田舎での原体験を共にする2人を結び付けたのは1954(昭和29)年公開の映画「ゴジラ」だった。水爆実験で太古の眠りから覚めた怪獣が東京を襲う。土俗的でありながら4拍子と5拍子が交錯する不穏なリズムによって、異形の恐怖が増す。

▼▽「この映画の本質は核の恐怖」と説明する本多監督の言葉に、作曲家は「えらい事になった、こんな大きな音楽どうやってつくるか」と呟(つぶや)いたという(本多「伊福部さんと私」)。しかしその真摯(しんし)な姿勢が信頼され「空の大怪獣ラドン」「モスラ対ゴジラ」と協働が続いた。

▼▽伊福部が91歳で亡くなって8日で10年。本多監督と共に発したメッセージは今の世界にも深く、重い。「いい気になって自分勝手をやっていたら、自分たちだけでなく地球をも滅ぼす」。核実験や長距離弾道ミサイル発射を強行する国の指導者に、まずは聞かせてやりたい。

(2016/02/08付)
最新7日分を掲載します。
  • 2月8日
  • ▼▽鶴岡市で過ごした少年時代、後の映画監督は夏には川をせき止めて水浴び。冬は一面の銀世界でそり滑りに興じた。片や後の作曲家は、北海道の原野の村でアイヌの子どもたちと遊んでは、彼らの民族音楽に親しんだ。[全文を読む]

  • 2月7日
  • ▼▽今から110年前の1906(明治39)年、大石田町出身の鈴木貞次郎は単身ブラジルに渡った。当時27歳、移住を志しての勇躍。横浜港から当初はチリを目指すも船内で会った人物に共鳴し行き先を変えたのだった。 [全文を読む]

  • 2月6日
  • ▼▽旧暦(太陰太陽暦)元日の2月8日がもうすぐ。韓国では「ソルナル」、中国と台湾では「春節」。大晦日(おおみそか)に当たる7日から1週間は民族大移動の年中行事で、大量の訪日客が見込まれる日本は期待の商戦節でもある。 [全文を読む]

  • 2月5日
  • ▼▽側溝の上に細長く連なった“雪山”を踏んでみた。長靴で通学した少年時代が蘇る(よみがえ)ようなわくわく感が伴う。ザクッ。案の定崩れた。雪塊の下部が解け、空洞になっていた。軒の氷(つ)柱(らら)からはポトッ。滴が光って落ちた。[全文を読む]

  • 2月4日
  • ▼▽制裁には報復で、対決には全面対決で応じるのが我々(われわれ)先軍思想の対応方式―。その“実験”を行うたびに国際社会の怒りを買うが、決して止めようとはしない。危険極まりない野望に歯止めをかける決め手はないのか。 [全文を読む]

  • 2月3日
  • ▼▽きょうは節分。もともと季節を分ける日のことで年に4回あるが、新しい四季が始まる立春の前日のみをそう呼ぶようになった。立春を新年とすれば大晦日(おおみそか)の節分に豆をまいて病や災いを払う「鬼やらい」が行われる。[全文を読む]

  • 2月2日
  • ▼▽「王将」で知られる劇作家北條秀司が、黒森歌舞伎見物のため新庄駅から酒田に向かっていた時のこと。雪の鳥海山と最上川を背に、飾り付けた馬に腰掛けた花嫁行列が目に留まった。かれこれ50年ほど前の話である。 [全文を読む]

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